て~ぶる22号 ( 2006.6.30 )
ふくろう てーぶる題字 No.22
住民が主役のまちづくりを子ども・健康・環境を中心に進める
<とよはし市民会議>発行
〒440-8501 豊橋市今橋1 豊橋市役所7階
 みんなで子育て!
   子育てがたのしいまちづくりを!
「とよはし市民会議」
豊橋市議会の会派のひとつ。1995年11月、議長に届け出て以来、現在まで一人会派。豊橋市議会では、3人以上で構成の「会派」に、議会運営委員を割当てます。本年、とよはし市民会議は、「建設消防委員会」「中心市街地活性化調査特別委員会」に所属。豊橋市議会では、一人会派への一般質問等の発言時間や機会は他会派と均等扱い。傍聴・委員外議員発言の機会なども生かし、一人会派の意見表明に務めています。
駅北・松葉に花と緑と子どもをテーマに生涯学習スペースを!

▼建設への流れ
 「おもちゃ館」に始まり「夢パーク」へ引き継がれ、現在の「こども関連施設等」計画へと、すでに10年近い時間が流れました。折々に、市民意見表明の機会が設けられたこともあり、「市民協働」が建設まで継続されることを願ってきました。

 その「夢」が、具体的な「形」となり、平成16年12月には「基本設計」をもとに市民意見交換会、平成17年11月末に「実施設計(案)中間報告」が出される前後には、「子育てゾーン」を中心に活発な会合が重ねられてきました。

「市民意見いつでも受け付け中」と担当の都心活性課の姿勢は継続しているものの、「体験・発見ゾーン」(まち体験)については、当初の段階から、具体的な姿が見えない上、ハンズオン展示(*)にも、市民理解が一向に進んでいない状況です。

行政側では、実施計画をもとに、建設工事着工に向け業者入札、そして9月議会には、契約案件上程と、着々と進められています。こども施設計画の構想段階で取り組まれてきた「市民との協働」(意見を聞く・述べる)には一定の評価ができます。しかしながら、この2年間は、分散型の意見収集、個人提案受け入れなどが行なわれたにも関わらず、計画全体への反映をはじめとして、最新の情報がホームページで公開されず、こうした情報提供の不足が、市民関心とのズレとも重なり、市民協働の大きな課題となっています。

そして、今。「設計模型」があれば、館全体をイメージして、さらに議論を深め、理解が進んだことでしょう。
(*) 展示品に実際手を触れることができるもの。すでに19世紀アメリカで、子ども博物館の成功例がある。
■平成17年7月26日、子ども関連施設等建設実施計画業務を㈱山下設計中部支社と4,830万円で随契。展示施設設計は丹青社(東京)。
6月議会 とよはし市民会議一般質問
1.実施設計段階の「こども関連施設等」の新たな問題点を質問
Q: 「子育てゾーン」運営等検討会議設置の考えは。
A: 設置して取り組む考えはなく、子育てネットワーク会議、専門家、ボランティア関係団体の意見を聞いていく。子育て・子育ち支援事業の総合的・一元的支援拠点施設として、専門職員配置、情報収集・発信を行なう。
市民会議コメント:豊橋発の本格的・常設「子ども・子育て・子育ち応援施設」で、子どものことなら『いつでも』『なんでも」「どこでも」「だれでも」対応できる「総合相談窓口」と「対応への意欲と経験あるスタッフ」を。
Q: 「まち体験」の進捗状況は。
A: 「まち体験」では専門の人に仕事を教えてもらう方向で展示設計準備中。
市民会議コメント:まち体験は、施設を含めたまち全体を取り込む構想に転換を。
施設までの公共交通アクセス整備から始まる、駅前・駅北(松葉)まちづくり。子どもがまちへ来ること、まちなかで過ごすことが「まち体験」。協働のまちの市民文化を作るのは、今から、子どもを含めて、みんなで。
まち空間で提案の病院、美容院、スーパーマーケットを「展示」でなく、実際のまちの一部として施設内にテナント導入する。展示の設置・維持・管理・改修等の諸経費節減となる上に、実際の職業体験の活用が図られる。施設内外の職業体験の際に、学校と事業者をコーディネートする担当者を置く。
Q&A: 「図書コーナー」の専門職配置と4世代交流常時利用に充実策は、地域の特色や歴史を踏まえ、「花」については提案として受け止める。
Q&A: シックハウス対応は、施設全般に化学物質の飛散量がより少ない材料を使用。子育てゾーンでは、床、壁など、自然素材を使用。
2.「宝くじ」収益運用について答弁から分かったこと。
会費:
昭和54年度から平成17年度までの本市の会費総額は、24億472万6005円。各年度の会費は、市町村に配分すべき県からの交付金を会費とみなすこととし事務処理として確認書を提出。実際の収入と支出行為を伴わないので、市町村は歳入歳出予算に計上する必要がないと(財)愛知県市町村振興協会が、総務省地方債課と確認している。
→ 予算書に明記を。適正な会費の額にと協会で声を。
借り入れ:
昭和56年度から平成17年度まで、総額40億530万円を、消防施設整備事業や、電線類地中化事業、自然史博物館整備事業などのために借り入れ。定期償還後の17年度末現在高は、21億225万円となる見込み。借り入れ利率は、協会の規定により、原則として、借り入れ日現在の、財政融資資金の貸付利率より、0.3%低い利率。
→ 市長は協会で、無利子借り入れの提案を。
3.「豊橋市民病院透析部長収賄事件」 <緊急質問>
 発端は昨年12月19日、市民病院長宛の「透析医師の収賄という匿名情報」をもとに、直接本人にただし、収賄否認の医師を「信頼」。5月27日、収賄容疑で医師逮捕。
▼とよはし市民会議の質問
病診連携と腎臓透析の特殊性に立ち、公立病院の役割を明確に示す機会。
市長は投書市民へ感謝を。市民情報を信頼することを再確認する良い機会。
院長は、医師間の情報管理の徹底を。提供された情報は、適正処理に手間取ると必ず外部からの指摘を受ける。情報時代における危機管理対策を。
▼感想
早期発見、早期対応、予防対策の重要性は病気と一緒。
透析患者の受け入れ病院が限定されること、糖尿病等から、今後透析が必要となる患者数の増大など、収賄・謝礼につながる要素が病院・医師間に温存している。
ストップ!ザ農薬 ~家庭、公園、学校、病院~
赤ちゃん、子ども、妊婦、敏感な人、病人、高齢者の健康のために!
参考資料:「新幹線に乗れない」長谷川熙著(築地書館)(←豊橋市中央図書館にあります。)
情報資料提供:「サスティナブル21」小沢祐子さん他/反農薬東京グループ
農薬は畑だけではありません。香取線香にも。環境弱者を守るための早急な対策を。
 シロアリやダニの駆除剤をはじめ、家庭菜園、学校、公園、病院などの樹木に散布されている農薬によって、目まい・吐き気・頭痛など風邪様症状、アトピー・アレルギーなど免疫異常、行動異常などの神経・精神障害を起こすことが分かってきました。個人差はありますが、誰もが農薬など有害化学物質によって化学物質過敏症(成人70万人・2000年調査)を発症する可能性があります。
農薬を巡る近年の動き
1996年: 米国環境保護庁「食品品質保護法」~農薬の子どもに対する影響が世界的にクローズアップ
2003年: 日本農水省通知「住宅地等における農薬使用について」<資料1>~樹木の病害虫は農薬の定期散布を廃し、剪定や捕殺で対応せよ~
2006年: ポジティブリスト制度実施。農薬の人の健康影響を減らす方向<資料2>
→ところが豊橋市では公共施設において農薬の定期散布がおこなわれていました。<資料3>
去る5月19日、豊橋市長に「公共施設における農薬散布に関する要望書」を提出
提出市民団体「CS研究会豊橋」「サスティナブル21」「反農薬東京グループ」
要望事項
1. 農薬・殺虫剤等の薬剤散布の実態調査
2. 農薬の定期散布・予防散布の中止
3. 農薬に頼らない管理を行なうための情報周知等
豊橋市では農薬散布に対する「慣れ」があります。
日本の農耕地における単位面積当たりの農薬使用量は世界一(OECD 2002)
豊橋市民一人当たり樹木の病害虫防除農薬散布費用は、中核市以上の都市で2番目(金沢市議会事務局02年調査)。その後、金沢市では農薬使用が激減したため・・・豊橋市が日本一に?
公共施設での有機リン系農薬を使用禁止に!
 欧米では厳しい有機リン剤の規制が進んでいます。ことに学校現場では、生物の多様性など自然の生態系について学ぶ絶好の機会です。06年3月18日参院予算委員で厚労省の中島健康局長は、「有機リンは急性中毒の他情動や精神活動など高度な脳機能に慢性的な障害を引き起こす恐れがある」と慢性中道の存在を認めています。特に脳神経の発達途上にある、胎児や幼児がもっとも過敏で影響を受けやすく、これらの影響は不可逆的な障害となり得ると言われています。
清浄な空気を呼吸することは基本的人権です!
 農薬はガス化して周辺大気を汚染します。村上周三・東京大学教授によれば、人間は環境科学物質の83%を肺(空気)から取り込み、食品は7%、飲料は8%だそうです。「同じ汚染でも食物なら消化器を経て、解毒機能を持つ肝臓を通るが、肺からだとそのまま血管に入る。有機リン農薬を人の静脈に注射しているに等しい」(青山美子医師:引用「新幹線に乗れない」18頁より)
 農薬使用に際しては、誘殺、塗布、樹幹注入などを検討し、やむを得ず散布する場合であっても、最小限の区域に留めることとし、周囲住民への事前周知、たて看板の表示等、特に近隣に学校や通学路があり子どもへの影響が懸念される場合は、学校や保護者に周知し、子どもの健康被害防止を徹底する等、厳重な注意事項が求められています。また、農薬使用者は、使用日時、農薬名、量、希釈倍率などの貴重の一定保管義務があります。
 住宅地に隣接する農地(市民農園や家庭菜園を含む)についても同様で、病害虫に強い作物や品種の栽培、発生しにくい土作りや施肥、人手による捕殺等物理的防除を求め農薬使用の回数、量の削減を求めています。
<資料1>平成15年9月16日付農林水産省消費・安全局長通知(15農安第1714号)「住宅地等における農薬使用について」(抜粋)
 近年農薬の飛散を原因とする住民、子どもの健康被害の訴えの事例が多く聞かれるようになっているとし、「学校、保健所、病院、住宅地に近接する公園等の公共施設内の植物、街路樹及び住宅地に近接する森林等における病害虫防除については、病害虫の発生や被害の有無に関わらず定期的に農薬を散布することを廃し被害が発生した場合に被害を受けた部分の剪定や捕殺等により病害虫防除を行なうよう最大限努めることとする。このため、日頃から病害虫の早期発見に努めることとする」。
<資料2>農業生産現場における取組み
 JAとよはしでは、農用地からの農薬散布を防ぐため、全国に先駆けて、無人ヘリと果樹用のSS(スピード・スプレイヤー)は、農協が請け負う場合には使用しないと決めました。個人農家使用については、適正な圧力、飛散の少ないノズル、粒剤への変更などを勧めていると伺いました。
<資料3>豊橋市の公共施設における農薬使用の現状 (06年4月~6月調査時点)
公  園  : 9公園で、松くい虫に対し、2回の予防散布実施。(エコワン3フロアブル)
学  校  : 05年教育委員会単位で購入
殺虫剤(スミチオンカルホス乳剤
除草剤(ラウンドアップバスタ)→用務員さんたちが熱心に情報交換を行い、虫の発生段階で止め、できる限り農薬を使わない方策を検討中と聞きました。
市民病院 : 散布3回
殺虫剤(ディープテレックス乳剤、添加物マイリノウ)
除草剤(ラウンドアップ・ハイロード、シバゲン)
中央図書館: 今回から薬剤散布の代わりに剪定で対応。
公園・街路樹: トレボンなど
*アンダーラインは有機リン系農薬。
こども関連施設  ~皆さんの質問にとよはし市民会議が答えます。
◆「こども施設に30億円とは!かけすぎ。」
 建設費30億円の例は、共に平成14年開館の田原市図書館と石川県松任学習センター(*)があります。中心市街地の図書館例としては、岡崎で平成20年図書館交流プラザが開館予定。今、子どもへの投資は、まちの未来を決めると確信しています。
(*)松任駅前の学習センターは、中央の千代女の庭(回廊)に向かって右手側には356席のコンサートホール、120席のライフシアターがあり、左手には、1階に図書館、学校図書館支援室、2階に子ども図書館、児童館、乳幼児の部屋、プレイルームが、総合的に配置され、どこからも、庭の緑を楽しむことができます。
◆「まち体験の目玉と言われる展示は、一番金食いなのによく分からない。」
 本物を!数万円で廃棄処分となる、消防自動車一台を置くことだって立派な展示と、建設消防委員会で提案。変化の時代に一番敏感に応えてこその「まち体験展示」は、崖っぷちに。不利あーの人件費、維持・管理・更新への諸経費に「投資対効果」が一番厳しいのではと予想されます。「有料」で自由な人の流れが阻害されないか?生涯学習の松葉センターとして、図書館機能を充実させるべきと考えます。
◆「駐車場料金を心配しないで まちで過ごせる方法はないの?」
 子ども、乳幼児同伴の大人、障がい者、高齢者が、駅前から施設までアクセスできるための、公共交通等の整備計画が必要。駅前とこども施設のシャトル便(環境配慮などで話題性のある徹底した弱者対応の小型乗り物)を提案します。車を使わないでまちへ!という時代の先取りを!
◆「年間20~30万人もの人が利用できるの?」
 白山市(人口11万人)の松任生涯学習センター内図書館利用者は、年間48万人。(豊橋市は58万人/田原市は17万人)。市民病院跡地で開催されたイベント(夜店、フリマ、まちなかフェスティバルなど、平成12年度で計60日余の利用実績)への参加者は67万人。松葉に今必要なのは、「駅北」「総合」「学習」「文化」「こども」のセンター。松任学習センターは、ぴったりのモデル。ここから学び、年間利用者数を、さらに増大させることも可能ではないでしょうか。
◆「実施計画段階での変更は無理では?今からでも変えられることはあるの?」
 今年2月末、第4次基本計画後期改訂により、駅南の総合文化学習センターの図書館と生涯学習センターは段階的整備として先送り。本年コンペを開く予定の美術博物館と、増設計画のあった中央図書館は、次期計画で検討と方向転換。駅南の大幅な変更による駅北への影響を検討する時間が十分とは考えられません。皆さんの声をもとに、8月3日の委員会で、だれもが開館を楽しみに待つ「こども関連施設等」となるよう、徹底して質問します。
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