て~ぶる17号 ( 2005.4.17 )
ふくろう てーぶる題字 No.17
住民が主役のまちづくりを子ども・健康・環境を中心に進める
<とよはし市民会議>発行
〒440-8501 豊橋市今橋1 豊橋市役所7階
3月議会は1日に市長の予算大綱説明を受けた後、7日から一般質問、予算審査の特別委員会と続き、28日に予算案が可決して終了しました。今号では、予算誕生物語、住基台帳大量閲覧、予算審査、資源化センター最新情報を中心に、3月議会報告をお届けします。
手づくり<協創事業>人づくり ~ 継続は力なり ~市民力への信頼 ~
「はじめての絵本との出会い事業」 470万3千円 図書館費
~4ヶ月児健診時に、絵本と市内授産施設で製作した袋を配布~
▼ブックスタートとは・・・
乳幼児健診時に、絵本をプレゼントする事業で、全国716自治体、県内では1村8町7市で取り組まれています。(H17年1月現在)
▼予算誕生物語 ~豊橋市の取組みの経緯
H11(99)年 6月議会質問「絵本で子育て支援」を提案
H11(99)年 6月議会質問「豊橋版ブックスタート」について
・・・絵本をプレゼントする前に、豊橋市にとって必要なのは、絵本リスト配布、絵本紹介サービス、子育て期の絵本の役割を発信すること。これらを「豊橋版ブックスタート」と位置づけて提案したところ、保健所は教育委員会と協議をすると答弁。
・・・6月議会最終日に、保健所担当2課長率いる教育委員会関連課との合同打合せ。行政パーソンのこうした積極性により、事業が展開されることになった。また、絵本配布実現の際には、授産施設との連携で布袋の製作をしてはと、話し合われた。
H14(02)年 図書館での「赤ちゃん絵本講座」「赤ちゃん広場」開設
H15(03)年 コーディネーター配置・図書館の「はじめての絵本コーナー」の充実・カラー版の絵本リストの配布。経験豊な市民の皆さんの活躍により、保健所、図書館において赤ちゃん絵本を扱うことへの認識が高まった。リストの存在も定着し、次は絵本を贈ることを検討する時期が到来したとの声が集まる。
H16(04)年 6月議会「絵本プレゼント」「絵本袋授産所で製作」を検討すると答弁。
→リストの絵本が全市民館配置を終え、校区市民館へと進む。
9月議会「ブックスタート事業本格実施に関する陳情」が提出された。
とよはし市民会議はこの10年、「資質のある訓練された行政パーソン」との出会いを求め、「良識と関心のある市民」との協働でまちづくりを進め、議会で提案・議論し、常に、市民の視線を忘れず、取り組んできました。継続を力にすることで市民力が高まり、行政パーソンの信頼を得ることができるようになったことを実感しています。
▼成果と今後の課題
(1) ブックスタート本格実施(絵本プレゼント)の前に、赤ちゃんと絵本の出会いの大切さについて、十分市民への周知がなされた。
(2) 担当司書がコーディネイトをして、ボランティア、図書館、保健所等の行政各課との連携が確立した。
(3) 図書館を中心とする市内の校区・地区市民館に、リストの絵本が完備されたことにより、身近に絵本に接する機会がふえた。
(4) 赤ちゃん絵本サービスが、ゼロから、担当司書配置、リスト発行、絵本講座、赤ちゃん絵本の開設へと広がった。
(5) 豊橋独自の「絵本+袋プレゼント」を通して、赤ちゃんの時から図書館との出会いが豊かになるように、今後も市民協働で取り組むことが必要。
▼取組みを支えた市民力
この4年間、母子保健センターでの、4ヶ月児健診時の絵本紹介(毎週火曜日午前)、図書館での「赤ちゃんえほん広場」(毎月第2第4木曜午前)の解説、絵本リスト作成や紹介に関する研修、連絡調整会議等々、これらのすべてが、無償ボランティア活動で行われてきたこと、そして、こうした市民力は、図書館、母子保健センター3者の連携にとって、強力な牽引力となり、事業実施上欠くことのできない存在です。
行政の即断で絵本をプレゼントせず、年月をかけて地道に取り組んだ「豊橋版ブックスタート」への道筋は、他都市でも大変評価されており、まさに、これら市民と行政の協創モデル事業と確信します。
とよはし市民会議・渡辺則子の一般質問 ~主なもの~
▼総合的子育て支援策
Q&A:少子化対策とあいまって、近年、こども関連プランが目白押しです。とよはし市民会議では、建設計画が進む松葉の「こども関連施設」を、子ども施策の総合推進センターとして位置づけ、市内全域の既設・計画中の子ども施設(療育センターなど)との機能・役割分担を明確にすべきと質問。次世代育成支援行動計画では、諸計画との整合性を図りながら策定し、概要版やホームページできめ細やかな対応に努めるとの答弁。引き続き、子ども施設は、まず、「総合相談が大切」と提案を続けます。
お知らせ:「こども関連施設」計画へご意見を!
「基本設計」(案)が2月末に議会に提案され今年度は運営計画策定調査の予算がつきました。
具体的な施設の姿が見えてきて、やっと声が出せるようになった、でも、もう・・・遅いのでは?どんな意見がどの位聞いてもらえるの?いつ、どこへ言ったらいいの?という声にお答えします。
駅前にある都心活性課事務所で皆さんの意見を受け付けています。ときわ通りを抜けて旧市民病院方向へ。最初の4つ角から、ときわアーケードが始まりますが、左側4つ目のビルです。(電話0532-55-8117)昨年、ここで世界のバリアフリー絵本展が開催されました。
でも、でも、問題はいっぱいあります。<パブリックオピニオン制度が豊橋市にはないこと><基本設計図がいつでも、どこでも見られる訳ではないこと>。では、どうすればいいの?豊橋駅の改札口を出たあたりに“市政情報ウインドウ”を設置し、設計図を貼り出し、いつでもだれでも、意見を書き込めるようにしてはどうでしょうか。
6月議会で、市民意見の生かし方について質問の予定です。
▼住民基本台帳大量閲覧制度における個人情報保護
Q&A:豊橋市で「架空会社」による、住民基本台帳大量閲覧の事実が、とよはし市民会議が昨年末参加した情報公開クリアリングハウスの全国調査で判明しました。個人の4情報(氏名・性別・生年月日・住所)を誰もが閲覧できることは問題です。また、その情報が名古屋市のような犯罪に繋がらないための対策を質問。厳正な対処をするとの答弁ですが、今後も要綱改正を含む対応を求めます。
▼環境循環するまち・豊橋への課題
Q&A:市内の産廃施設では、未解決の問題への対策に追われています。県や関連する他市との連携で、どこまで豊橋市の環境を守れるのか。業者の逮捕で汚水処理などが中断すれば、どこが責任をとるのか。法、要綱、地元の協議書などをフル活用しても解決できないばあいはどうするのか。問題と課題を残した宮川興業からグループ会社日邦への引継ぎ、稼動3年目を終えた、ガス化溶融炉の維持管理費と委託料抑制策、焼却炉3号炉を今後更新せず、廃炉にする覚悟で、市民が一体となって取り組むごみ減量をと質問。農政と連携することで、問題点が明らかになることを、今後も粘り強く提案します。
平成17年度予算審査報告 ~予算委員会でとよはし市民会議が取り上げた項目(一部)
審査を終えて:
継続する事業については、前々年度決算や前年度決算予測を生かして、新年度の予算が組まれていることが分かります。市税収入、補助金、交付金が当てにならない場合、一律削減か、ばっさりカットか。その際、本来ヤセテモ、カレテモ「絶対に必要な予算」と、「余裕があれば付ける予算」と、「慣例的になかなか削減できない予算」etc、いろいろなパターンが考えられます。
この時代、豊橋市独自で取り組む、しかも、新規予算は厳しいなかで、豊橋市長の個性は教育分野に発揮されています。「ぜろ歳から市民です」を受け入れる体制づくりから、障がいなどへの支援は必要な限り早期から、税負担の公平性から、子育て中の親世代への手厚い支援策から、男女共同参画の視点から・・・と、時代の要請にも敏感な、新たな観点で点検する時と考え、審査にあたりました。
▼広報にもっと人の写真を
市民相談に関わる人たちなどを写真紹介すれば、もっと相談が身近になると確信しています。
▼性教育・感染症
保健所、教育委員会の双方へ質問しました。医療、保険、学校の連携、人権をベースに進めることを確認。必要な情報のあり方など、今後の課題です。
▼学校図書館司書教諭
子ども読書推進計画のなかに、「全中学校に学校司書を配置し、小学校にはボランティア」とあります。現在小学校8校に配置されている学校司書の継続を議論しました。
▼敬老事業
節目のお祝いから、どなたへも、いつでも敬老へと発想の転換を。高山学園のバス購入をヒントに「市内循環バス」計画の具体化を考えて質問。今後の継続課題。
▼交通児童館運営事業費 2,311万円
運営にあたる5名の方はすべて嘱託員となります。利用度の高さからも、今後整備される松葉のこども関連施設に選考する子ども専門施設としても、市の責務を明確にすべきと考えます。
▼電動式生ごみ処理機購入補助金 520万円
千万単位の補正予算をつけた頃に比べると、随分下火になりました。今後は電動だけに拠らないで、生ごみ処理の様々な取り組みを考慮するとの方向を確認。結局はごみの再生産の機器に、減量とはいえ補助金を出すことは再検討が必要です。購入者の利用状況調査、堆肥化と堆肥利用策の道を探る時。
資源化センター最新情報 <灯油使用問題>
 ガス化溶融炉で灯油が必要なのは、立ち上げと立ち下げ時のみのはず。また、ごみの持つエネルギーで自然し、発電効率もよく、維持管理費が経済的であるという点について、「カロリー不足を補うために灯油使用」しているのはなぜか。その詳細をご報告します。(予算委員会で、時間不足で質疑しなかった分の一部を含みます。)
Q: 新年度の灯油の予算計上は?
A: 新炉の立ち上げと立ち下げ(1炉1回5万リットル)、3号炉の運転用、非常用発電機及び補助ボイラー運転用のみを予算に計上。
燃料費の推移
灯油使用総量 市費
平成14年度 341万1305リットル 18万1千リットル(710万円余)
平成15年度 148万5107リットル 23万リットル(991万円余)
*市費を引いた灯油量は、三井造船負担分となっています。
Q: いつまでこうした状況が続くのか。解決策は?
A: 熱回収の向上を第一に、3月現在、機器の改良工事中。
ごみの発熱量
発注仕様書発熱量1200kcal/kg~3000kcal/kgとなっているが、ガス化溶融炉でスラグ化するには2000~3000kcal/kg必要と言われる。
Q: 新年度、基準ごみ発熱設定2300kcal/kgを確保する対策は?
A: 排出ごみによるので、適正なごみ処理を進め、現状ごみ質で対応。
Q: 確認覚書9には、設備期間中、施設に関連する装置に設計、生産上の欠陥があった場合は、三井造船の責任において必要な措置をとらなければならないとある。生産物(電力、蒸気、スラグ、脱塩残渣)の状況から見て、新年度は熱分解ドラム(注1)・燃焼溶融炉(注2)・高温空気加熱器(注3)の主要3機器の瑕疵担保期間残り2年を切るが、三井造船の責任を求める考えは?
A: 現在重要課題と位置づけているのは、高温空気加熱器における熱回収不足で、市とメーカーにおいて協議するなかで、メーカー責任を明確にしており、早期の課題解決に向けた対応を施設稼動期間中(注4)、継続的に求めていくことになる。
Q: 余熱利用施設計画と密接な関係にあるエネルギー循環問題は、(たとえごみ1トンで蒸気2トン発生しても)焼却炉段階での灯油助燃問題の根本解決なしに進めることはリスクが大きいのではないか。
A: 高温空気加熱器の恒久対策は、平成19年度には終了し、熱回収が解決することから、余熱利用施設開館については、影響がないものと考えている。
Q: 発電端効率は、普通の焼却炉は10%未満、高効率発電は15%以上と言われている(注5)が、本市のガス化溶融炉の発電端効率の推移は?
A: 平成14年 15.3%、15年 13.6%、16年 12.3%
Q: 余った電力を売る(売電)計画はどうなったの?
A: 予算ベースで「売電」は、平成14年度7,600万円のところ、平成17年度予算では、1/7の1,110万円が計上されているにすぎません。ごみの持つエネルギーで運転して、維持管理費が本当に軽減されたのか。引き続き、情報収集につとめ、次世代型ガス化溶融炉の稼動状況をお知らせいたします。
注1 小さくきざまれたごみを、回転ドラム内450度で蒸し焼きにする工程。
注2 ドラム内で炭とガスになったごみを、1300度で溶かして、スラグ化する工程。
注3 燃焼溶融炉からの熱で取り込んで空気を暖め、それを熱分解ドラムへ送る工程。
注4 今までの3年鑑から今後稼動予定の17年間を含めての期間をさしています。
注5 NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)「廃棄物発電導入マニュアル」47頁より引用。高効率(15%以上)の一般廃棄物発電施設の一覧表には、2002年3月末現在として、豊橋市は全国16位発電端効率16.6%、蒸気温度400度、蒸気圧力3.93MPa、発電出力8,700kwとあります。
知ってる?知ってる? なぜあなたの所へ突然、DM(ダイレクトメール)が届くのか。
一般会計予算書37頁 歳入 戸籍住民基本台帳(注1)手数料600万円・・・これは6万件の個人情報提供による市への収入を意味しています。法律(注2)により、誰もが、この台帳を閲覧し、手書き写しが許されています。
注1: 個人の4情報が記載された台帳
注2: 住民基本台帳法第11条(住民基本台帳の一部の写しの閲覧)何人でも、市町村長に対し、当該市町村が備える住民基本台帳・・・略・・・の閲覧を請求することができる。
豊橋市では、1世帯100円で、誰でも、この台帳から個人情報を書き写すことができます。ファイルは町名、世帯別になっており、単身者、高齢者、母子父子家庭を特定することも可能です。豊田市のようにあいうえお順でない理由を、町名別の請求に応じる際、不要な個人情報の閲覧を避けることができると、豊橋市では判断しています。
▼とよはし市民会議は3月24日、市長へ要望書を提出しました。
「要綱」を改正して、商業目的利用を制限するなどの対策を緊急に。
現行の「閲覧制限期間」を「閲覧一時停止」へと延長し、事実上の閲覧制限を設けること。
住民基本台帳に関する本市の状況を市民に早急に知らせること。
コラム:鳩とカラスと樹木
 市営住宅の木の茂みがなくなったので、カラスが減り、天敵を失った鳩が、空き家などで急に増えたようですとお電話がありました。皆さんのお近くはどうでしょうか。切手も残しても、何かと話題になる樹木。では、どうしたらいいの?
 まずは、いろいろな立場から、こうして「声をあげる」こと、時間がかかっても、「話し合う」こと、そして、子どもや高齢の方も含めて、まちづくりにとって一番大切なことを「皆で決めて納得」したら、まずは、「取り組んでみる」ことではないでしょうか。
 こうした町内の身近な話し合い=民主主義が、世界全体の平和につながると、宮沢賢治作品を愛読する私は痛感しています。
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