議会レポート12号 ( 1998.6.23 )
豊橋市議会 会議録へ
6月議会報告 *発言全記録は「会議(委員会)録」として、ご覧いただけます。
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5月・6月市議会報告
一期生最後の年を迎えました。議会への傍聴をはじめ、皆さまの応援に感謝いたします。本会議での質問も、前市長逮捕の緊急質問を加え14回目となりました。「一般質問」には3年間の蓄積が生かされるようになってきました。今年度はじめの二つの議会の報告をいたします。
《臨時議会(5月15日)で議決された主なもの》
新川小学校の校舎、プール改築工事請負契約(一般競争入札により、7億4760万円で八木建設株式会社と締結)
中核市の指定に係る申し出
インドの地下核実験の強行に抗議する意見書
議長、副議長選出、各委員会委員、議会選出委員
*のりこは建設委員会、廃棄物処理調査特別委員会の委員に。
《定例会(6月8日~18日)で議決された主なもの》
一般会計補正予算
地域下水道事業特別会計補正予算
消防関連のポンプつき車両
ガス冷暖房機
資源化センターし尿処理施設改良工事
建設委員会「岩西地区土地区画整理事業計画に関し、反対、白紙撤回を求める陳情」(現況について質問しました。)
のりこの一般質問
問1 介護保険導入段階における「情報公開」と「住民参加」
さまざまな議論、問題点があるなかで、「介護の社会化」という点では、ひとつの合意点に達したとも言われる。全国調査等で回答した自治体の8割が、この介護保険に批判的であったことからも、新たなタイプの負担をともなう、この介護保険において、「情報公開」と「住民参加」は、大変重要で、基本的な問題と考える。
質問 住民参加の保障として、介護保険法117条第5項に「市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。」とある。また全国介護保険担当課課長会議でも、「計画作成委員会等の体制づくりにあたっては、被保険者たる地域住民の参加は必要不可欠である。」「地域住民の意見を計画作成等に反映させるためには、計画作成の趣旨等をあらかじめ広報等により、地域住民へ十分周知することも必要である。」と述べられている。
(1) 被保険者の意見反映のための、「地域住民参加」に関する考えは?
(2) 「介護保険事業計画」作成段階での情報公開について
答え 計画策定委員の選定は各関係団体からの推薦で委員を委嘱する作業中。特に第1号被保険者代表として、高齢者団体から、第2号被保険者代表として、福祉協力団体から選出し、介護経験の有無も参考にする。
(1) 40歳以上の被保険者を対象にアンケート調査や、色々な団体からの意見も聞く。
(2) 計画策定については、出来る限り公開していく。
質問 「介護保険事業計画」策定にあたって要介護者の実態把握について
(1) 実態調査について:調査方法、内容
(2) 調査結果を介護保険事業計画にどのように反映させるか
答え
(1) 現在検討中。需要量が的確にとらえられる方法をとる。設問は国から示されるものを基本に調査する。
(2) 豊橋市の高齢者の現状を把握する中で必要な介護サービス事業の総量と総事業量の歳出し、介護サービスの量に反映させる。
質問 市民自治を進める上でも、市民の積極的な参加を歓迎すべき。行政の透明性。住民の信頼性を高めるうえで、不服申し立て等の苦情処理の必要が考えられる。オンブズマン制度(行政、福祉)についての考えは。
答え 県の介護保険審査会に審査請求できることになっているので、導入は特に考えていない。
質問 介護保険のしくみに関して市民へのPRの進め方について
答え まだその段階ではないが、「広報とよはし」でPRに努める。
のりこのコメント
介護保険は、豊橋市の福祉をどうするのかが、問われている。国の動きにあわせてというだけでなく、豊橋の市民の福祉の実態から出発する事を始めてもらいたい。計画の基になる考えや数値をしっかり検討してほしい。
問2焼却炉更新契約を進める上で、現下の諸問題について
今年9月に三井造船との随意契約の準備が進められている。確立された実機稼動実績もない焼却炉について、専門外の私たちが、どうして20年先まで見越して決断ができるのか。今までの情報をつぶさに検討し、問題点を洗い出し、立ち止まって、豊橋市のごみ処理の諸問題について、その根本から考えてみる時ではないか。
質問 次世代ガス化溶融炉の最新情報の把握について
(1) フィルト市(ドイツ)の実機稼動状況
(2) 八女西部広域事務組合(筑後市)における進捗
(3) 国内における「ガス化溶融炉」の開発状況
答え ドイツの実機:フィルト市の引渡しは12月末になる。細かな部分の改造項目の追加、部品の納品の遅れが理由。
質問 宍栗郡と豊能郡における「管理組合」「三井造船」「ダイオキシン」の諸問題の本市への影響について
答え 宍栗郡、豊能郡の一連のダイオキシン問題→当時の焼却炉建設の技術、自治体の運転管理の問題。豊橋市の機種と異なるから技術的には問題ない。
企業体質→厚生省の調査結果から、メーカーの対応に問題なしということなので、本市には特に影響はない。
質問 焼却炉更新契約進める上で、今後の手続きと問題点、課題について
答え 指針外認定、国庫補助内示を受け、仮契約、本契約、着工、と計画通り進めていく。特に大きな問題はないが、一定の特別保証の設定が必要と考える。
のりこのコメント
次世代型焼却炉を決めたのは豊橋市。なぜ独自の調査を通して豊橋市の見解を市民に示し、疑問を解かぬのか。フィルト、宍栗、豊能、の問題から学ばずして、地方分権のまちづくりと言えるのか。ますます疑問は山積。
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いよいよ大詰め 焼却炉問題
今一番大切なことは→情報公開:事実を知り、伝え続けること
1. 豊橋市が今すすめている随意契約の具体的な状況と内容
2. 契約先である三井造船の企業の信頼性の根拠となるもの
(1) 企業責任のとり方を豊能郡(とよの)と宍粟郡(しそう)の事例から判断する。
(2) 「ダイオキシン」対策から企業体質を分析する。
(3) 「ガス化溶融炉」の技術と総合評価の最新・的確情報の確認。
(4) 三井造船の新型炉の開発状況の公開を求める。
3. 豊橋市の現状のごみの状況
(1) 生ごみの堆肥化/減量容器やコンポストの効果と問題
(2) ビン・カンを徹底分別→炉の負荷と財政負担の軽減
(3) 埋立地と廃棄物の状況と問題点
4. 「大は小を兼ねる」→「小で資源循環実現」へのシフト
(1) 大きい炉(200トン2基)が必要とする「ごみ」は集まるのか。
(2) 補助金は国の責務、さらなる「節税対策」は市の責務!
報告:廃棄物処理調査特別委員会:三井造船との勉強会(6月19日)
 事前に26項目の質問を提出。当日は三井造船から4人、議会からは11名の委員が参加。回答と質問の約2時間、「企業の信頼性とは」を学びました。
 三井造船は宍粟、豊能の新聞報道は事実ではないと、繰り返し否定しました。炉のせいではないと断言できる証拠を示し、ダイオキシンに対する、確たる因果関係等、全力をあげて究明してこそ、企業の信頼性は高まるのに。これまでのダイオキシン対策をみる限り、新型炉のPRはますます信じられなくなりました。
 万が一、豊橋市で問題が起きたら、同じことになる。責任なしとする言葉あふれる回答は、結局問題の本質と向き合うことを避けている。私たちは、宍粟と豊能に対する三井造船の企業姿勢を徹底分析し、繰り返させない仕組みを作りあげ、国、県にも示さねばならない。(国、県、市の責任を明確にしておかねば!)
  ― 詳細はのりこの議会報告会等でお伝えいたします。
忘れてはいけないこと
早川市長は何回焼却炉にでかけたか。ごみ現場の市民の声は届いているのか。
1. 市民に有利な担保をメーカーが提案するはずがない。
2. 技術をはじめ一切の情報を持つメーカーと行政は対等になれない。
*テクノロジー・アセスメントの必要性
3. 行政・議会は、市民の利益、環境、健康、生活を守るために一丸となって、メーカー(県と国の一部)に向かうべき。市民の立場に立つ点を明確に!
4. お墨つき、担保に加え、さまざまな契約の付帯はなぜ必要なのか。
随意契約であるから信頼できるメーカーであるかの見極めが必要
(競争しないで商談が成立。相手はひとり。肝心なところはすべて相手のペースにならざるを得ない。)
それらに代わる「確実なもの」(つまり実機とか、第三者機関の保証書)が存在しない。→「技術評価書」はそこまでの保証をするものではないことは、厚生省も廃棄物研究財団も明言。「豊橋市」だけの思い込み。
5. 今なぜ三井造船にこだわるのか。
契約予定の相手。信頼関係を揺るがす問題山積の「三井造船」。
6. ではどのメーカーならいいのか。
談合、経営、炉のトラブル等の諸事情はどこのメーカーにもあてはまる。
7. どの炉の型式ならいいのか。豊橋市のごみ処理をどうするのか。
すばらしい処理・運転管理の実績を持つ、現場職員の声をまず聴くこと。
職員の研究・研修のため、十分な時間と予算を確保すること。
8. すべてのツケは、私たち豊橋市民のもとに!
廃棄物研究財団と厚生省は「技術」について評価しただけ。
豊橋市に建設される「実機評価」ではない。
メーカー: 豊橋市が作った仕様書のとおりだから自らは責任はないという。
県と国: 「お決めになった市とメーカーの間の問題。我々には関係なし」
9. 焼却炉問題は、「炉型式決定」と「メーカー契約」で終わりではない。
10. 国(厚生省)は、残念ながら市民(国民)の見方ではない。
なぜ「今」になって、ダイオキシンだ、大型炉だとさわぐのか。
今までの対策の遅れや誤りの責任を自ら取らぬ限り、メーカーと、行政、住民が対立し、結局すべてのツケは住民に。地域からの異議申し立てを!
残されているのは、あと2か月。9月の議会には契約案件提出予定。
廃棄物処理調査特別委員会への傍聴を!(7月1日、8月19日)
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議会の廊下で鳴くうぐいすの声
廊下のチリも情報源
 当選直後、右も左も分からず、議会情報はゼロからの出発。もちろん私は事前協議の対象外。落ちてるチリからも情報をと、張り詰めた毎日。カーペット張りの廊下はすべての音や思いを吸い込み、静まりかえっていました。
一人会派で見えてきたこと
 議会のなかで私の言動について指図する人もなく、失敗も含め、すべて自分の財産に。孤軍奮闘のはじめの1年を経たからこそ、私は議員の役割、会派の問題、議会のしくみを、自分の問題としてとらえるようになりました。
 議案の賛否をはじめとして、私の態度が常に問われます。判断に困り、迷う間、緊張が続きます。その中で見えてきたものはとても大きく、一般質問の形も徐々に変わってきました。
 市民の皆さんが傍聴してくださることで、豊橋市議会がどんどん外から開かれていくようでうれしく思います。
 会派の特徴と節度がないと、市民の皆さんの目には、役職のため会派を渡り歩いていると映るようです。無所属で立候補、当選したら最大会派に所属という今までのパターンが続く限り、議会の改革は望めません。
 「一人会派がいくつも存在する=議員一人一人が、是々非々で議会活動」となれば、議会がさらに内から開かれていくのではないでしょうか。
どうぞ とよはし市民会議控え室へ
 無所属の方と相部屋ですが、ご遠慮なくお訪ねください。
 7階です。エンジェル・イヤリングのつぼみも開き始めています。窓からの眺めは抜群です。
会派制は存続するのか
 会派の代表者による打合せを経て運営される会議が多いため、一人会派はすべてをカバーできません。先ごろ、ある会派の中で十分な連絡が行なわれていないことが原因で一騒動ありました。会派制存続の危機?会派で意見統一という流れに対し、議員一人一人が自分の責任を果たす動き~会派間の移動?も出てきました。
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子育て支援から見えてきた豊橋市政の問題点
生活家庭館は、毎週火・水曜日は、にぎやかな子どもたちの声でいっぱい。妊娠中のお母さんから、時には孫をつれたおばあちゃんまで、就園前の親子連れが集まってきます。みんな子だくさん。ここには子育ての情報と仲間がいっぱいです。
 今年でこの「まんまの会」の活動も15年目に入りました。
会  費: 来た時だけ、1家族200円。運営費と手作りのおやつ代。
入退金: 自由(いつでも、だれでも参加できます。)
運  営: 現役の母親。事務局(もと会員)はサポート。
◆問題点
理想は20家族。しかし毎回50家族以上の参加があり、事故等の心配、親密な関係づくりは大変困難な状況が続いています。
 5年前、「家族大好き」(まんまの会10周年記念誌)をつくり、子育ての環境に関する問題点とともに、行政に届けました。その後、国のエンゼルプランの計画が具体化されてきましたが、豊橋市の「子どもの問題」は根本のところで一向に進んではいません。
 他都市の方々からは、どうして豊橋市はこの問題を放っておくのかと聞かれます。母子保健衛生の点から考えても、まんまの会のような場の役割はとても大きいことに、私たちも十分感じています。(保健所や病院、市役所の窓口からまんまの会への照会があります。残念なことに、十分なサポートができる状態ではありません。)
豊橋市母子保健計画(平成9年10月)
今までの保健所は、「発育や病気」が中心だったが、これからは、「育児」に関しても、子育て支援の中心的役割の発揮に努め、福祉、教育とも連携し総合的な施策を推進する。
  ↓
いよいよ豊橋市でも、(市立)保健所を持つ時代になりました。
私たちの声がしっかり届くようになります。
産業廃棄物などの環境問題は、そのまま母子・父子保健問題。
私たちは責任もって、声を届けていかねばなリません。
◇出生率が、経済(消費と生産、労働)や福祉(保険・年金)の財政の側面からとらえられています。社会構造の変化と産業優先による人間性の疎外という問題ぬきに、子育て支援は考えられません。
◇豊橋市の基本構想に「子ども」の問題が取り上げられるように、私たちも、声をあげていきましょう。そして私たちにできることは提案し、まちづくりを進めましょう。
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のりこの議会活動
5月 8日 議会運営委員会(傍聴)
  9日 安岡厚子さん講演会「生き活きまちづくりネットワーク」発足集会
  12日 「すこやかの里」「在宅介護支援センター」(豊橋クリニック)施設見学
  14日 議会運営委員会(傍聴)
  15日 5月臨時議会
  16~17日 地方議員行財政自主研究会「介護保険」/おもちゃ美術館(東京)
18日 廃棄物研究財団、厚生省
  23日 98年度のりこネットワーク(後援会)総会(向山)
  24日 豊身連向山支部総会
シンポジウム「介護保険とケアの質の保証」(名古屋)
  26日 寺本助役と1年生議員懇談会
27日 御嵩町視察(柳川町長との懇談)
28日 議会準備:独語資料の翻訳依頼
31日 校区社体(栄小)/善意フェス'98 (のんほいパーク)
議会ネット豊橋で前講座の打合せ(金山駅)
6月 1日 廃棄物処理調査特別委員会(各派懇)
  3日 一般質問提出
  5日 議会運営委員会(傍聴)
  6日 消防50周年式典/子育てフェス/水俣展会議
8~9日 本会議
  10日 本会議(のりこの一般質問)
  11日 厚生経済委員会(傍聴)/総務委員会(傍聴)
  12日 建設委員会/善意フェス反省会
  14日 「東海おはなし交流会」/東三河環境講座
15日 一般会計予算特別委員会/産廃研(センター)
  16日 岩西地区市民の方の話をきく/「毛利先生講演会」打合せ(文庫)
  17日 議会運営委員会(傍聴)/埋立処分場/資源化センター
講演会「行政評価」
  18日 本会議(最終日)
  19日 廃棄物特調:三井造船との勉強会
ごみ劣等シンポジウム(ウィル愛知)
20日 愛知県内の産業廃棄物施設視察
  21日 校区社体(栄小)/「議会だよりNo.12」作成
24日 廃棄物特調(各派懇)/水俣・豊橋展学習会
25日 図書館まつり実行委員会
27日 第22回とよはし市民講座(女性と税金:水谷道子税理士)
28日 ソフトボール大会(栄小)/図書館利用者懇談会
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編集後記
「水俣・豊橋展」をよみかけられた田嶋いづみさんが、豊橋に帰省されるのに合わせて、4月12日に初めての集まりがあり、「三河アウシュヴィッツ展'91」と同じ会場で、子どもたちに伝える形をと、夏休みの計画が立てられました。/実行委員会も発足し、短期間に準備が着々と進められ、すでにポスター、ちらし、チケットの配布が始まっています。ぜひご協力を!/私が初めて「水俣」に出会ったのは、今から40年前、小学校の巡回ニュース映画でした。水俣湾のうねりと、踊り狂うねこ、「今水俣湾では…」と、語る男性の低い声は、今も私の心の中に。20代に「苦海浄土」に出会った時、これからは絶対娯楽のための本は読むまいと決意したほどでした。/患者さんたちが、チッソ告発のため、全国を回られた時、私は支援活動の仲間とともに街頭に立ちました。「水俣はすべての公害の原点。日本中が水俣になるのを止めよう!」と、共に叫んだことが、私の環境問題の原点です。/人として生まれながら、人として一生を終えることを奪われた水俣の人々が、私たちに問いかけます。「人間のことばを聴きたい!」と。そしてあくまで責任を認めぬチッソに対して、追及し続けます。「私の体はどうして、こんな風になったのですか。教えてください。」と。/水俣の写真を見ると、哀しくなります。信じられないことばかりだからです。でもこの水俣の真実は、今の私たちの日常にあるのです。/私たちが「水俣」を見ずに暮らそうとしても、その現実からは決して逃れることはできません。/今から、私たちの子どもたちのために、できることから始めましょう。あなたのその一歩を「水俣・豊橋展」へお運び下さい!(のりこ)
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